こんにちは、みなさん!
ドイツ在住のMizukiです。
ドイツと言えば、職業訓練制度(Ausbildung)というのが有名ですね。
私はそのAusbildungに似た制度で、職業転換訓練(Umschulung)というものをしています。
AusbildungとUmschulungの違いやどちらを選ぶべきかという記事は別記事で紹介しています↓
私がしているのは職業転換訓練(Umschulung)と言って、国から資金的援助を受けながら職業転換訓練ができる制度です。最終的に取得できる資格は職業訓練(Ausbildung)と同じなので、ここではだいたい同じようなものととらえて貰っても大丈夫です。
職業転換訓練(Umschulung)の詳しい説明は別記事をご参照ください↓
私は2020年8月からこの職業転換訓練(Umschulung)を始め、今年2022年8月末に卒業する予定です。
先日5月4日に最終の筆記試験を終えたばかりで、あと口頭試験が残っているという状況です。
これまでのUmschulungを通し、これはやっておけばよかった・こうしておけばよかったというような後悔がいくつかあります。
特に初めの頃は、職業訓練中「どうやって勉強したらいいのか分からない」や「自分の勉強法に自信がない」と思うことが多々あると思います。私もそうでした。
そして、手探りで自分なりの勉強をし、やっとベストな勉強法を見つけたと思ったらもう最終試験が目前!なんてこと…あります。
だから、始める前にそういった情報があれば嬉しいですよね。
でも残念ながら、私が始める時はAusbildungやUmschulungという制度の説明はあっても、訓練中の勉強法やメンタルの維持など、そういった説明があるブログが少なかった。
そのため今回の記事では、これから職業訓練(Ausbildung)や職業転換訓練(Umschulung)を始めたいという人や訓練中で勉強迷子の人のために、まずは私がUmschulung中に後悔したことやアドバイスをお伝えしたいと思います。
ちなみに、長くなってしまうので「訓練中の勉強法」や「訓練中のメンタルの維持」については次の記事でご紹介したいと思います。
訓練中の勉強法をまとめた記事はこちら↓
経験者による、職業訓練(Ausbildung)や職業転換訓練(Umschulung)のためのベストな勉強方法今回の記事もかなりの情報を詰め込んだので、時間がたくさんある時にゆっくり目を通してもらえるといいと思います。
目次
職業訓練(Ausbildung)や職業転換訓練(Umschulung)を始める前に
訓練を始める前に、まず自分の語学力が十分にあるかどうかを確認する必要があります。
Ausbildungでは最低B2のドイツ語力が必要とよく言われています。
このB2は訓練に必要な最低基準で、でも実際はB2でも理解するのは本当難しいです。
ただこれは職業によってはB2でも十分足りる職業もあると思います。
日常でも使う単語の多い職業や実践の多い職業(例えば販売員・料理人など)であればB2でも問題ないかもしれません。
私が選んだ職業は「Fachinformatiker/in für Anwendungsentwicklung」と言って、いわゆるプログラマーです。
この職業は訓練中にドイツ語と英語が必須になってきます。そのため、B2ではかなり厳しいと感じます。
もしご自身のドイツ語が不十分だと思われる場合、先にドイツ語をしっかり勉強しておくといいと思います。
訓練中にもドイツ語は勉強できるし、訓練中にこそドイツ語力はもっと伸びたりするのですが、もし語学力が足らなかったせいで辞めなければいけないという状況を避けた方がいいからです。
辞め方によっては同じ職業を選べなくなる場合もあるので、始める前に一度考えてみることをおすすめします。
後悔したこと
1.事前にインターンシップで職業を試すべきだった
AusbildungでもUmschulungでも、完全に始めてしまう前に、数週間~数ヶ月どこかの企業でその職業のインターンシップをするのがおすすめです。
私は2週間だけプログラマーのインターンシップをしたことがありますが、2週間では全くその職業を見ることができなかった。2週間ではその職業の一部分しか知れなかったし、1つの会社だけのインターンシップだと、実際の仕事のイメージがちゃんと出来ていなかった。
1カ所だったとしても、1~2ヶ月くらいの長さのインターンシップをしてみれば、ある程度その職業ですることが分かってきたりします。私はそれをしなかったので、想像はしていたけどやっぱりちょっと違ったかな…なんて思うこともありました。
もし始める前に時間的に余裕があるならインターンシップをしてから職業訓練を始められるといいですよ!訓練を始めてしまったら、途中で辞めるにも辞めるタイミングが分からなかったりで、精神的に辛くなる場合もあります。
事前にインターンシップって面倒だと思いますが、訓練を始めてしまうと最低2~3年は訓練に時間を取られます。
途中で辞めようと思えば辞めれるけど、辞めるのも勇気がいったりします。
2~3年のリスクに対し数ヶ月の保証と思えば、価値のあるものだと思います。
2.完璧に覚えようとしたこと
訓練を始めたばかりの頃、学んだことは全て覚えなきゃいけないと思っていました。
そのため、授業が終わった後には学んだことをノートにまとめたり、分からなかったことを調べては逐一ノートにまとめていました。しかし、1年前に何をまとめたかなんて覚えていますか?
私は初めの頃はまめなことに、学んだことを全てノートにまとめ、後々何度も読み返すという方法で覚えていました。それでもいいのですが…書いてまとめるのは時間がかかるので正直非効率。そして書いたことしか頭に残らないから、予備知識とかが少ないことにも後々気付く…。
毎日新しい情報が入ってくる中で、この勉強法はただメンタルを壊すだけの勉強法でした。
それに、ノートに書いてまとめるだけならただの字を書く練習になってしまいます。また、そのまとめたものが試験に出てくるとは限らないのです。
訓練中・最終試験で必要なことは、全て一文字一文字覚えようとするのではなく、必要な用語とそれを理解し、説明できることです。
その説明もテキストに載っている文章そのまま覚える必要もなく、自分の言葉で相手に伝えられたらいいのです。
つまり、初めから完璧主義にならないこと!です。
講義で何度か同じ言葉が出て来ます。もし一度で分からなくてもまた出て来ることもあるので、初めから自分を追い込まないことです。
そもそも、訓練中にその職業全てのことを学ぶことは不可能!訓練中も、訓練が終わった後も、独学で勉強する必要があります。おすすめの勉強法はまた今後の記事でご紹介したいと思います☺
3.オンライン講義でもよかった
Ausbildungだと選べないのですが、Umschulungの場合は自分でどの教育機関で授業を受けるか選ぶことができます。
教育機関によって講義の種類が異なり、
- 対面授業
- 自宅でオンライン授業
- 教育機関の建物でオンライン授業
の3種類があります。私が選んだのは1つ目の対面授業なのですが、これがまた大変でした。
当たり前ですが、毎朝決まった時間に登校しないといけない。
早起きが苦手な私には辛かった…なぜなら、授業は午前7時30分から始まるからです。
でもそれ以上に対面授業だと大変だったのは、対面だと緊張してうまくドイツ語が聞き取れなかったり話せなかったりしたことです。私は少し対人恐怖症な部分があり、慣れない人と話すと上がってしまって本当の自分を発揮できないのです。
授業ではたまに名指しで当てられ答えさせられたりするし、授業はドイツ語なので常に神経を尖らせなければいけません。疲れはたまるし、さらに緊張していたらうまく理解できなくて落ち込むし、精神的疲労がひどかったです。
コロナでオンライン授業の時が数ヶ月あったのですが、オンラインだと顔が見えないというのもあって(本当はカメラつけないといけなかったのですがクラスメート全員が拒否したため講師以外カメラオフの授業でした)、質問もしやすかったしあまり緊張しなかったので、授業の理解度は断然上がったし心地よかったです。
今振り返ってみると、始めから自宅オンライン授業にしたらよかったなと思いました。
ちなみに、自宅オンライン授業だとクラスメートと友達になる可能性は低いです。
でも、たとえ対面だったとしても友達になるとも限らないし、友達を作るために通っている訳ではないので、そういった理由なら対面を選ぶ必要がないと思います。
職業(プログラマー)的に、私以外のクラスメートは男性!講師もほぼ男性!
友達どころか、話が合わなかったりします。
でもクラスメートみんな優しいし、男女関係なく話したりするので私は問題なかったです。
ただ、対面の方が伝わりやすい時もあるので、ご自身の好みに合わせた授業形態を選ばれるといいです。
しかし、実技が必要な職業は対面授業を選んで下さい!というか、対面授業しかないかもしれません。
私のようにプログラマーのような職業なら、パソコンとインターネットがあればどこでもできますが、実技は実際に体を動かさないと覚えられませんからね💦
Ausbildungの場合は職業学校になるので、オンラインのところはほぼ無いと思います。企業がホームオフィス推薦であれば実践の日のみホームオフィスの場合もありますが、Azubi(訓練生)の場合は基本出勤だと思います。
4.自分にプレッシャーを与えすぎたこと
私はドイツ語が母国語でもなく、ドイツ語も完璧ではありません。
そのため、始めから「ドイツ人より努力しないとついていけない」だろうと思い、授業外でも自宅でかなり勉強したりしていました。
確かに言葉の壁で理解度が低くなるのは確実なのですが、自分にプレッシャーを与え過ぎると本当にメンタル潰れます。というか、何度も潰れてました。
また、日本人ならでは?なのか、真面目で勤勉なんですよね。私にとっては普通のことでも、意外と他の人そんなちゃんとしていないんです。
真面目にやってるのがたまにバカみたいになるくらい、本当多くの人が怠けてる…というか、普通なのだろうけど、日本人からしたら怠けてるように見えてしまうのです。でも、彼らは実はうまく訓練を乗り越えている気もします。
自分にプレッシャーを与えすぎると、バーンアウトのような状態になってしまいます。
それに、もし途中でやっぱりやめたいと思っても、強いプレッシャーから無理して続けてしまい、辞めれずにいたりもします。辞めるのは負けでもなく、それもまた選択なのに…。
私は自分にプレッシャーを与えすぎたせいか、訓練中に鬱気味になったこともあるし、白髪が増え、目の下のクマがひどくなり、寝付けが悪くなり、しまいには情緒不安定になったり…色々ありました。
なので始めから、ある程度楽観的で過ごすこと。プレッシャーを与えすぎないことです。
アドバイス
1.自宅から近いところを選ぶ
可能であれば、自宅から近い学校や企業を選ぶことをお勧めします。
毎日通わないといけないので、遠いところだと無駄に疲れてしまうし、時間も無駄にしてしまいます。
私は自転車で5分くらいのところの教育機関を選んだのですが、これが本当に良かったと思います。まず電車使わなくていいのであまり時間に追われないし、朝もゆっくり起きられる。
また、Ausbildungの場合、訓練後にその企業で労働契約を貰える場合もあります。もちろんUmschulungの場合でも、インターンシップ先で労働契約を貰える可能性もあります。
自宅から近いと今後の通勤も楽になるので、可能であれば自宅から近いところを選ばれるといいですよ。
2.完璧を求めず、楽しみながら訓練を受ける
上記の後悔したことの4つ目にも少し触れましたが、訓練前・訓練中は完璧を求めず、楽しむようにすることです。
訓練は2~3年続きます。この間ずっと気を詰めていると、本当に鬱になってしまいます。
特に試験前はプレッシャーと焦りから更に鬱気味になります。鬱になってしまっては訓練を続けられないし、訓練中も毎日時間を楽しむ必要があります。
私の経験から、訓練中はある程度楽観的になった方がうまくいきます!
訓練を始めて1年4ヶ月くらいから、完璧になることを辞めたんです(遅いですよね!笑)。そしたら本当に気が楽になって、訓練も前ほどそこまで苦にならなくなりました。
3.オンとオフを上手く切り替える
訓練中、色々な壁にぶち当たると思います。
授業がついていけなくてしんどいだとか、クラスメートと上手くいかないだとか、人によって様々な問題があります。でも、その問題が訓練によるものであれば、週末はその問題について考えないこと!です。
週末まで訓練のことを考えていると、自分のための時間が本当なくなってしまいます。
そのため、オンとオフをうまく切り替えて、平日の頑張らないといけない時は頑張り、週末は気を休めることに集中するのがおすすめです。
最後に …
長い人生の中で後悔することってたくさんありますよね。
小さい時に〇〇してたらなぁ…〇〇の大学に行ってたらなぁ…早くから〇〇してたらなぁ…って、たらればなんてたくさん!
AusbildungやUmschulungの間にも、後悔することなんて必ず出てくると思います。でも少しでも他の経験者からのアドバイスがあれば、未然に防ぐことだって可能。
当記事が、その後悔を少しでも減らすための道具になれば幸いです。
次のUmschulung関連の記事は、筆者Mizuki流の「訓練中のベストな勉強方法」についてです。
私のUmschulungの経験から、これはオススメという勉強法を詳しくご紹介していますので、よければこちら↓の記事もご参照ください。
経験者による、職業訓練(Ausbildung)や職業転換訓練(Umschulung)のためのベストな勉強方法それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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